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代表質問 神谷修平議員(2020年9月議会)

下京区選出の神谷修平です。地域政党京都党市会議員団を代表して、森かれん議員に続きまして、質問させていただきます。よろしくお願いいたします。 
まずは本市におけるふるさと納税の取組についてお聞きいたします。従来から私たち会派は申し上げておりますが、ふるさと納税は受益と負担という地方税の原則をゆがめるものであり、課題のある制度であります。しかし、それによって京都市民の皆様の利益が損なわれる事態となっていては、不本意であろうとも積極的に取組んでいかなければなりません。なぜなら本市のふるさと納税による財源流出は深刻な状態となっているからです。平成30年度はマイナス28億円、令和元年度はマイナス36億円、令和2年度ではすでに6月時点で40億円以上が流出しています。寄付額は平成30年度1.8億円から令和元年度2.5億円と7000万円の若干のプラスには転じてはおりますが、あまりにも流出額が大きいため焼け石に水の状態です。ふるさと納税によって流出している市税は、本来は、京都市民の方々のために使われるべき貴重な財源です。目標収入額を40億円以上と定め、まずは収支ゼロを早期に目指すべきであります。
ただ、昨年から、本市でも、何とか収入を増やそうと返礼品拡充に力を入れておられ、現在480品目近くまで増やされています。その中でも、直近では新型コロナの影響で寄付件数はそこまで伸びておりませんが、新型コロナ前では旅行クーポンや宿泊クーポンは大変人気の返礼品となっておりました。この積極的な姿勢は評価いたしますが、まだまだ京都の代表格の産品が入っておりません。返礼品で重要視すべきは、消費者目線に立った拡充であり、選ばれる返礼品でなければ意味がありません。京都には全国の方々が欲しいと思うものが数多くあります。しかし、京都のお土産ランキング上位の和菓子や洋菓子、漬物またはSNSで話題の食品などが品目にはほとんど入っていません。全国的にも人気の高い京都の人気ラーメン店の商品や、パンなども魅力的な品目となるでしょう。こういったものを返礼品に加えれば、企業にとってもリピーターになってもらえる可能性もあり十分にメリットがあります。
また、ふるさと納税の仕組みの中で、ネーミングライツを行う取組も考えるべきです。石畳を新しくされる場合、そこに名前が刻まれるというのも一つのアイデアです。大学が多くある強みを活かすなら、ふるさと納税の仕組みを使った母校と連動した寄付金の制度を設けるべきです。寄付金は学生たちを支援するため、奨学金や大学周辺の環境整備などに用います。そして、最近では、モノではなくサービスを返礼品に加える自治体も増えてきております。例えば、お墓の清掃代行サービスなどがそうです。さらに、今後のウィズコロナ時代に京都を訪れてみようという足掛かりとなるサービスも拡充すべきであり、観光タクシー利用券やオンラインツアーなども考えるべきでしょう。これからはサービスの付加価値を高めることが大事であります。
次に、京都のふるさと納税の継続性を高めるためには、寄付していただく方々とのつながりを強くし、京都のファンになっていただくという観点も重要です。そこで今後のふるさと納税の取組として、北海道東川町の株主優待制度を模倣した仕組みが大変秀逸であったのでご紹介いたします。この制度は寄付してくれる方々をまちの株主と位置付け、一緒にまちを育んでいくというものです。京都市の株主になった場合、株主証が発行され、特別市民という位置づけになり、京都に訪れた際には、まちの公共施設が市民価格で利用できる、株主の割引宿泊プランがあるなど様々なサービスが受けられます。また、京都市のまちづくりに参加する株主総会を開催し、進ちょくや財政状況など直接聞くことができる機会を設けます。その株主総会は二条城で開催するなど、株主にとって参加したい訪れたいと思えるしつらえを用意することも重要です。もちろん総会で意見があれば直接伝えることができます。まちに愛着を持ち継続的につながることで、関係人口が増えるということが株主制度に期待する大きな効果の一つです。関係人口の増加は移住促進にもつながります。全国的にファンづくりに成功している京都ならではの非常に有効な施策になると考えます。
そこでお聞きいたします。深刻な財源流出額に対する目標金額について、また品目の増加や、モノだけではなくサービスの返礼品の拡充について、そして今後の本市のふるさと納税に関してお考えをお聞かせください。

次に、ご提案させていただきたいのが、企業版ふるさと納税への積極的な取組です。企業版ふるさと納税は2016年度の税制改正により創設されました。国の認定した地方公共団体の地方創生プロジェクトに対して企業が寄附を行った場合、今までは最大6割の軽減がありましたが、今年度の税制改正で、軽減効果が最大9割に引上がりました。つまり仮に1000万円寄付すれば、100万円の負担で1000万円寄付したことになるのです。京都市もこの機を逃さず、徹底的に取り組むべきと考えます。本市の今までの企業版ふるさと納税の成果を申し上げますと、寄付額は毎年度100万円と極めて低調です。早期に取り組まれたところは、結果に繋がることは言うまでもありません。
本市の課題は次の2点です。第一は、積極的な取組みをしていないこと。第二は、魅力的なプロジェクトがないことです。京都市の全体的な立て付けとして、1つ目は子育て、2つ目は定住、3つ目は経済活性、4つ目は文化、5つ目は地域コミュニティというこの5つの柱はよいと思いますが、京都市を選んでもらうなら、4つ目の文化に特化することが肝要ではないでしょうか。例えば、京都には文化財の修理や二条城の保全など、日本の宝を守るといった大切な事業があり、そういった事業に寄付を行うことは、企業のイメージアップ、ブランド力の向上にもつながります。また京都が誇るアニメや漫画に関する事業なども興味を持たれる企業が多いでしょう。本気を出してプロジェクトを考えれば、他都市よりも魅力的なものを十分生み出せるはずです。今後は、企業が提案するための余地を残しつつも、京都が誇る文化を中心とした具体的なプロジェクトを考えアプローチをしていくべきと考えますがいかがでしょうか。
また、企業版ふるさと納税の成功には、個々の企業に対する積極的なアプローチが重要です。現在北海道知事である鈴木直道氏は夕張市長時代に、家具大手のニトリから夕張市に5億円の寄付を受けました。さらに企業版ふるさと納税の寄付額が常に上位の茨城県境町では、町長が自ら全国の経営者のもとを訪問することで3億円を超える寄付を集めました。このように個々の企業に対するアプローチが成功のカギを握っております。
企業版ふるさと納税の大前提として、企業の本社がある自治体への寄附はできません。ここでも京都の強みを活かすために、全国に多くおられる京都にゆかりのある方々、例えば学生時代京都で過ごされた経営者などに積極的にアプローチしてはいかがでしょうか。また、他府県に存在する京都府人会や、京都に所在する大学の同窓会支部などへアプローチすることも有効な手立てであると考えます。そういった際には、本市がシティセールスの拠点と仰っておられる東京事務所の活用も併せてお願いいたします。以上企業版ふるさと納税に対する回答を求めます。
次に本市の公園について何点か提言させていただきます。市が管理する公園は約900カ所あり、その2割に当たる公園が整備から50年が経過しています。遊具に関しても、現行の安全基準に適さないものも多くなってきています。京都市では日常点検などで危険があると判断した場合は修繕や更新をその都度実施しています。しかし、その中には、ほとんど使われていない遊具や、少子化の影響などにより、周辺に子育て世帯がほとんど住んでおらず公園自体に子供たちがあまり来ないところもあります。遊具などを残す残さないの見極めが必要な時期が来ており、線引きが必要であると考えますが、現状ではとりあえず全て残すという判断を京都市として下しておられます。公園のトイレに関しても、再整備する明確な基準というのは存在しないようです。明確なビジョンを持たず、その場その場で対応するのではなく、公園整備にあたっては、まず現状を十分に把握していくことが肝要です。
実際に私の選出区であります下京区の公園をすべて見て回りましたが、なぜここのトイレは新しくなっていて、隣の学区の利用頻度が高い公園はいつまでも古いままなのかと疑問を感じることや、雑草が生い茂り過ぎて使用できないような遊具もありました。今のような場当たり的な整備を行っていては、こちらの学区の公園はきちんと整備されているが、隣の学区は整備されていないといったような不公平感が生まれます。公園改修の精度の高さが不十分であり、その辺りの精度を高めていくことが求められます。橋りょう健全化プログラムで行われているように、優先順位と年次で区切ったしっかりとした計画が公園整備にも必要なのです。
本市においては「京の公園魅力向上指針」を策定されておられますが、その計画は一つの一つの公園において本当に地域のニーズに合った計画となっているでしょうか。約900箇所ある公園のニーズをすべて行政だけで把握するのは困難です。今までも、自治連合会や公園愛護協力会,またワークショップによって地域の皆様や公園利用者からのご意見を伺っているかと思いますが、まだまだそれでも一部のご意見です。ネットやSNSなどを活用すれば、今まで声を届けたくても届けられなかった方々など、もっと広く全区民的なご意見を拾い上げることが可能です。
詳細な公園整備にあたっては、区役所が中心となり、学区ごとの単位から公園のあり方を検討する機会を作ることも必要です。市民に最も近い窓口である区役所が中心となって地域の情報を吸い上げ、公園のあり方に反映していくべきです。その中で、利用者が少なく今後管理を続けていくことが難しい公園や、子育て世帯が多いエリアでは遊具を充実させてほしい、子供の利用が少ない公園では老朽化が進んだ遊具は撤去してほしいといったようなご意見も出てくるでしょう。限りある予算の中で、廃止する公園、遊具や子供の遊び場を充実させる公園、広く市民の方々に使ってもらえるような広場が多い公園など、実情に応じて公園を分類化していくべきであると考えます。
私も公園でアンケートを取らせていただきましたが、子育てをしておられる保護者の方々からは、もっと日陰が多い公園にして欲しい、水遊びができる公園を増やしてほしい、バスケットボールなど球技ができる公園が欲しい等のご意見もいただきました。市民の声をしっかりと吸い上げた公園づくりを進めていくべきと考えます。
これからの時代に即した公園個別のニーズを捉えるためにも、ネットやSNS等を用いて幅広くご意見を集めていただきたいと思います。また選択と集中を行いながら公園をマネジメントし、区役所を中心に学区の状況を取りまとめ、精度の高い公園計画を作っていくべきであると考えますがいかがでしょうか?本市のお考えをお聞かせください。

さて次にコロナ禍での学校教育環境について、保護者の方々や生徒から新型コロナへの感染が心配なので登校を控えたいというお声をお聞きいたします。呼吸器疾患などの持病をお持ちの児童生徒が日々不安な思いを募らせながら登校している現状もお聞きしています。子供は重症化しにくいといわれていますが、持病がある人は話は別で、重症化するリスクは十分考えられます。そういった保護者や生徒の声を受けて、大阪の寝屋川市では登校するか、ご自宅でオンラインによるライブ配信授業を受けるか選択できる「選択登校制」という制度を導入しております。ライブ配信を選択された場合、自宅学習を認め、欠席扱いとはしないという措置です。この制度は、全国的にも多くの求める声が上がっており、テレビ等のメディアでも取り上げられ、ネット上では署名活動が行われるなど、大きな話題となっております。
京都市では感染の心配から学校を欠席される場合、欠席扱いにならない制度を取っておられ、自宅待機される児童生徒に対しては、短い動画の配信や、学習プリントを活用されており、この取り組みは素晴らしいものであると評価しております。
しかし、決してこれだけでは十分とは言えません。登校を控える子供たちも、義務教育の観点から、同程度の学力補償ができる仕組みを作らなければなりません。ライブ配信授業によって学習の機会を平等に担保すべきですし、教室や友達の様子が見えるという点は、生徒の安心感や、再度登校するときの不安軽減に繋がり、心のケアの面においても有用です。
ここで私の経験をお話させていただきますと、私は阪神淡路大震災の時に自宅を焼失し、住む場所が見つかるまで、一時的に他府県の祖父母の家に避難していました。学校が再開されてからも一月程度、もとの学校には登校できず、教科書で自主学習するしかありませんでした。しかし、こういった災害時でも、ライブ配信授業があれば、平等な学習の機会を得ることが可能なのです。
寝屋川市の担当の方に実際にお聞きしたところ、ライブ配信の方法は、教室で授業する教師の前にタブレット端末を設置し、授業の様子を撮影して、オンラインビデオ通話システム「Skype」で配信するというものです。生徒はタブレットやスマートフォンで受信します。新しい設備や機材が必要ではなく、教職員の方も端末での操作が加わるだけで特に負担は増えないというものでした。ライブ配信授業を希望される場合、保護者は事前に教育委員会に申請し登録します。
本市では、九月に端末やネット環境がないご家庭の分の端末も配備されてきており、今年度中には生徒一人に一台端末が配備されます。またライブ配信において新たな費用が掛かることはなく、寝屋川市では問題なくできております。ライブ配信授業を行える環境は十分整備されてきていおり、現在本市においても新型コロナによって学級閉鎖となったクラスにおいては導入されております。確かに平常時の活用には議論の余地は残りますが、現在の新型コロナ感染の状況や、地震など災害時においては一定導入を検討されてはいかがでしょうか。選択登校制そしてそれに伴うライブ配信授業の導入について本市のお考えをお聞かせください。

以上で私からの質問を終わらせていただきます。ご清聴誠にありがとうございました。

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