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賛成討論 平成29年度一般会計予算について 森かれん議員(2017年2月議会)

京都党市会議員団は、議第1号から17号、平成29年度京都市一般会計予算他について賛成するとの態度を表明しておりますので、会派を代表して討論を行います。

 平成29年度においては「日本の「心の創生」を牽引する世界の文化首都京都の実現」を予算編成上の第一に掲げたことは高く評価しております。文化庁移転もその大きな目玉であり、京都は今後積極的に世界に向けて日本文化の発信をしていかなければなりません。しかし、皇室の京都ご帰還は、歴史的な意味と京都そのものの在り方が変わる国家問題です。とりわけ今上天皇ご譲位後のお住まいについては早期に歓迎の声を挙げ、世界の文化首都の実現に向け全力を傾注していただきたいと存じます。また、昭和天皇の崩御後、準備の時間が十分になかったこともあり平成の即位礼は東京で行われました。時間的制約が少ないこのたびは、是非皇室の伝統に則り、京都御所で即位礼が実施されることを強く要望すべきであります。

また、子ども若者はぐくみ局が設置されたことも歓迎すべきことです。人口減少時代を乗り切ることは国家戦略上最重要課題であります。そのためには労働生産性の向上と生産人口の増加は必須であり、この国は再び共働き時代に突入していかなければなりません。そうした観点から子育て支援は、これまでの保健福祉対策施策ではなく、共働きを前提とした市民のライフスタイルの変化に対応する、また誘導する大変重要な都市運営戦略の基幹になるべきものです。一層積極的な取り組みを期待したいと思います。

 その上で、今後の市政運営に関して2点指摘いたします。

まず財源についてです。平成29年度一般会計予算では実質市債残高が増加に転じたこと、また、中期財政見通しでは、特別の財源対策が、京プラン第2ステージで約束されていた概ね100億円から大きく上ブレしたことに危機感を感じております。京都市の財政は、これまでも厳しい状況でしたが、いよいよ本格的に厳しい状況に移行しております。その状況下で、南部クリーンセンター、市庁舎、中央卸売市場、美術館、JR新駅、芸大と大型工事が今後数年で数多く計画されています。中期財政見通しの投資的経費は、これらの整備に掛かる工事金額を個別に積み上げた数字ではなく、過去の数字からの推計という極めて杜撰な見通しです。局別質疑では、投資的経費は概ね700億円程度でコントロールするという当局の答弁がありましたが、個別案件を積み上げ、その上で工事計画の縮小等も含め、700億円を上限にコントロールしなければいけないことを改めて指摘いたします。また、スクラップアンドビルドの観点で言えば、例えば、近隣の施設に通いやすいというスポーツジムの性質上、健康増進センター、通称ヘルスピア京都なども、時代の変化にあわせ対応が必要です。この施設には運営経費として一億円が委託費として支払われておりますが、神戸市では6000万円の委託費で大問題になっております。これらは事業継続を条件に民間に売却すれば、ジムは残り、行政は税金を投入する必要がなくなります。こうした時代の変化に応じた行政運営を強く望みます。

中央卸市場の整備計画では、余剰地を売却もしくは貸出するなどして約85億円の財源ねん出を見込んでおられるようでありますが、今回、南部クリーンセンターでの土壌汚染対策でも23億円という巨額な費用が追加で必要になったことからも、この市場の余剰地売却についても同様のリスクが考えられます。先日の補正予算の付帯決議が全会一致で付され、土壌汚染が想定される場合には事前に調査を行い、調査結果を反映した事業計画を作成することを求めております。市場の整備でも掘削除去の必要の有無により、コストは大きく変わります。そのため、将来的リスクにも相応した対応が肝要です。

結びに、討論を終えるにあたり一言申し添えます。過日の代表質問におきまして、わが会派の議員の質問に対し、「風評被害につながる」と強調するご答弁がございました。議員が事業に対して丹念に調査を重ね、専門家からの意見等も聴取したことを踏まえた上で質疑を行ったにも関わらず、理事者からのこのような発言が強調されることは議員や議会に対しての発言の権利を歪める、極めて不適切な発言でありました。私たちは発言自由の原則に基づいて質疑を行っているにも関わらず、このような答弁をされますと、議員が議会に臨む姿勢に大きく影響を与えかねません。現に慎んでいただきたく存じます。この場を借りて厳しく指摘をして討論を終えます。

ご清聴まことにありがとうございました。

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